サーベルタイガー・・何故絶滅してしまったのでしょうか?

絶滅してしまった中で最も人気のある動物の内の一種族ですよね。
※今回はサーベルタイガーの種類の中で最も有名なスミロドンについて書いていきます。

あの強靭な顎、20cm以上もあるキバ、獲物を離さない為の強靭な前足、まさに当時最強と言える動物です。

300万年前から北アメリカに生息し、パナマ地峡が形成された270万年前に南アメリカ大陸にも進出、
食物連鎖の頂点に君臨していましたが、何故か10万年前に絶滅してしまいました。

サーベルタイガー(スミロドン)絶滅の理由は

  • 人間による乱獲
  • 気候変動

などの説が唱えられています。

今回はこれらの説を踏まえて、サーベルタイガー絶滅の理由を見ていきたい思います。

サーベルタイガーが絶滅した理由は?

人間による乱獲説

サーベルタイガーが絶滅した理由として人間による乱獲が挙げられます。
人間による乱獲が理由で絶滅した生物は古今東西沢山いますし、今現在も絶滅が危惧されている生物は何千何万種類もいます。

シマウマ、ゴリラ、チンパンジー、クロサイ、インドサイ、アジア象などなど、動物園でおなじみの動物の中にも絶滅危惧種がいっぱいです。

50億羽もいたと言われる旅行鳩や日本狼、人工繁殖を頑張っているトキなどは既に絶滅してしまいました。
残念な事です。

さて、ではサーベルタイガーが絶滅した原因は人間の乱獲による物なのか?

答えはNO!です。

何故なら、サーベルタイガーが絶滅したとされる10万年前に人類がアメリカ大陸にいた形跡がないからです。
いない人に絶滅させられ用がありませんよね?

発掘調査などから人類がアメリカ大陸に進出したのは今から1万〜1万4000年前だとされています。

ただ、日本では船を操る事が出来る人類が3万年も前にいた事が分かっているので、
もしかしたら、まだ見つかっていないだけでその頃のアメリカにも人類はいたのかもしれません。

だとしても3万年前の話です。
10万年前となると、無理がありそうですね。

では絶滅の原因はやはり気候変動なのでしょうか?

気候変動説

サーベルタイガーが絶滅したのは10万年前ですが、そこから更に4万年前にはリス氷期と言って、氷河期のもっとも寒い時期でした。
ちなみに23万年前は温暖期のピークです。

地球の気温は約10万年周期で寒くなったり暖かくなったりを繰り返しているので、300万年近く反映しているサーベルタイガーはどちらの気候にも対応してきた事になります。

気候変動説では、気候の変化に耐えられなくなった動植物が絶滅する事でサーベルタイガーの獲物が減ってしまい、それによって飢え死にした。とされています。

よく引き合いに出されるのはマンモスですね。
アメリカ大陸にいたマンモスをコロンビアマンモスというのですが、サーベルタイガーはこのコロンビアマンモスも食料にしていました。

コロンビアマンモスが絶滅した時期とサーベルタイガーが絶滅した時期が重なる為、やはり飢え死にしたのだろう。となっていますが・・

 

残念ながらこれは間違いです。

なぜなら、マンモスの絶滅とサーベルタイガーの絶滅の時期はズレているから。

つまり、サーベルタイガーが絶滅したのは10万年前、マンモスが絶滅したのは1万年前なのです。

1万年前は氷河期が終わって気温が急激に上昇していった時期なので、マンモス絶滅の原因としては気候変動説は正しいかもしれません。
(僕は他の原因が有力だと思っていますが。)

 

でもサーベルタイガーにマンモスの絶滅は関係なさそうです。

ただし、マンモスだけを食べていたわけではないので、他の獲物が少なくなる事で、サーベルタイガーが飢えた事はあり得ます。

なのでこの気候変動説はかなり有力ではないか?と思われるわけです。

 

つまり、

気候変動する

食物連鎖のどこかで数を減らす生物がいる

食物連鎖の頂点にいるサーベルターガーの食物が減る

絶滅

です。

サーベルタイガーの体の特徴として、2本のキバは言うまでもありませんが、後ろ足が短いんです。
頭も小さい。

これはつまり、【頭が悪くて足が遅い】と言う事を意味しています。

さらにサーベルタイガーには牙や顎が弱かった形跡が見られます。

サーベルタイガーの弱点とは?

サーベルタイガーはその長くて鋭利な牙で獲物を突き刺し、失血死させるのが常套手段だったと考えられています。

逆にいうと、その牙が折れてしまったりしたら、その後狩をするのが圧倒的に不利になります。

しかし、その牙の強度がどうやら弱かったことが判っています。
しかも、顎の筋肉も弱かったことがわかっています。

 

そもそもサーベルタイガー自体そこまで大きいわけではありませんから、それも頷けますよね。

サーベルタイガー最大種のマカイロドゥスで2.5m。
最も有名なスミロドンが2.1mですから。

普通のトラやライオンと大差ありません。

 

ちなみに、ライオンの父とトラの母から生まれた巨獣ライガーは4mあるのでサーベルターガーより大きいですね。

こちらです。

 

既に発見されているサーベルタイガーの化石の中には、沼に足を取られて沈んでしまったものも有る様です。
ただ、集団で狩りをしていた形跡も有るので、社会性の様な物はあった様ですよ。

足が遅い分をチームを作る事によって補っていたのでしょう。

というのも、サーベルタイガーの化石の中には、怪我が治癒したものが見つかっているからです。

怪我が治癒するには時間がかかり、それまで狩をすることができませんよね。
その間餌を運んでくれる仲間がいなければ治癒する前に飢え死にしてしまいます。

なので、仲間がいたと考えるのが自然でしょう。

ライオンもハイエナもチームで借りをしますし、同じネコ科のサーベルタイガーがチームを組んでいたとしても全く不思議ではありませんね。

 

草むらの中に身を潜めて少しずつ少しずつ獲物との間合いを詰め・・・集団で四方八方から襲いかかる。
あのたくましい前足で獲物を捕まえると、サーベルの様な鋭く長いキバで頸動脈を突き刺す。

後は頸動脈から血が流れていくのを待っていれば、獲物は失血死するという算段です。6802034602_7e1e4a039b_nphoto credit: Smilodon attacking a giant ground sloth at the Page Museum at the La Brea Tar Pits via photopin (license)

・・・・・これが上手くいかなくなったのかもしれません。
つまり、気候の急激な変化に耐えられなくなった植物(背が高い植物)が広範囲で死滅する。

身を隠せなくなったサーベルタイガーは獲物を上手く捕まえられない。

餓死。

様々な資料を見ていくと、僕が最も有力だと思うサーベルタイガー絶滅の理由はこれです。

つまり、狩りが上手く出来なくなったから。
読者さんはどう思いますか?

 

ちなみに、この2つの説以外では、近くに隕石が落ちたからとかもあります。

でもこれ、どうやら6500万年前にメキシコのユカタン半島に落ちた隕石と混同している様です。
6500万年前にはまだサーベルタイガーが地球上に存在していませんし、関係ないかと思います。

結局未だにサーベルタイガーが絶滅した理由は解明されていませんが、絶滅したはずのサーベルタイガーがアフリカで目撃されています。

今までアメリカ大陸の事ばかりかいてきましたが、サーベルタイガーはアフリカにもいました。